ニシン 卸

北海道経済を支えたニシン漁

冷たい水を好む回遊魚で細長い形をしている。体長は30から35センチほど。 背側は青黒色、腹側は銀白色のシンプルな見た目をしています。 日本付近では春に産卵のため北海道沿岸に現れる。 生息域は広い魚だが、泳いでいる範囲としては狭い。決まった湾内などを生息域とする地域性の群れを作るグループと、 広範囲の海を泳ぎ回るグループがそれぞれ存在している魚である

ニシンの生息地は、石狩湾、能取湖、厚岸湖を主な産卵場とするタイプのニシンと、 回遊しているニシンに分けられ、北海道からサハリンに生息しているタイプ、 オホーツク海沿岸に産卵するタイプのニシン、 カムチャッカ半島に産卵するタイプのニシンが存在しています

札幌からほど近い石狩湾系のニシン 石狩湾を中心とした沿岸で生まれそだったニシンは、石狩湾内を回遊し成長する地域性のニシンです。 広範囲に回遊するニシンと比較し、成長が早く2歳くらいで成熟し産卵のため岸寄りする。 このため余計な脂肪分がすくないのが特徴となっています。 漁獲量は年間約200トン前後と、現在ニシンの資源量は少ないと言われております

100%無駄の無いニシン

ニシンは100%加工され利用されています。 身、身欠ニシン、糠ニシンに加工されます。タマゴ、塩数の子、味付数の子に加工されています。白子、プロタミンという成分を抽出して、保存料として使われています。 内臓、有機肥料に加工されています。 頭、尾びれ、乾燥して肥料として再利用されています

ニシンの加工品

子持ち昆布

子持ち昆布は、ニシンが昆布に卵を産みつけたものです。 本来の子持ち昆布は国産が多かったが近年はアメリカ産が多くなっており人為的に作ったものが多い。 子持ちわかめは、ニシンがワカメに卵を産んだものだが流通はしていない

ニシンの卵 数の子

ニシンのタマゴを塩漬けしたものと干したものが存在するが、干している数の子は最近見かけない

数の子の食べ方

塩抜き作業、水につけて塩抜きして、水は何回かとり替える。 ダシと日本酒、みりん、醤油などを合わせた漬け汁に入れて味つけをすると美味しくなる

ミガキニシン

ミガキニシン(身欠にしん)は、ニシンを三枚におろして20日から30日間乾燥させたもの。 昔は、ニシンの腹側を肥料に使って、背の部分のみ切り取って干して使用していた。 また最近では半乾燥品というものが存在し、ソフトニシンとして販売されているが、これは簡単に火で炙るだけで食べられる

ミガキニシンの食べ方

米のとぎ汁などに約一日程度漬け込みもどす。 これをダシを摂ったダシ醤油で煮込んでください

昔からあるニシン料理

ニシンの昆布巻きは、正月料理の昆布巻として全国に流通している。製造元は関西方面で作られることが多い。 作り方は、ミガキニシンを戻して昆布に巻いて煮たもので人気がある

ニシン漬物は、福島県会津地方には様々なミガキニシン料理が残っている。 ニシンと白菜などの野菜と漬け込み、麹を使って甘めの仕上がりとなっている

ニシンそばは、全国の立ち食いそば屋の定番ともなっていて、 発祥は、京都南座そばの「松葉」というお店で、1882年にミガキニシンの棒煮をそばにのせた事が始まりとされている

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