昆布の等級とは

昆布には他の水産物などにもあるように、その品質を保証する「等級」があります。利尻昆布や真昆布といった種類や、それぞれの地域の浜で収穫されたものからさらに、昆布の長さや幅、重さ、厚み、色、形、傷、白粉、そして結束方法といった、北海道水産物検査協会が定める規格により、一等から六等までの等級が決められています

紐の色を見ればわかる!

昆布には等級を表す紐がかけられており、一等は青、二等は赤、三等は紫、四等は茶と、ひと目で分かるようになっています。

この他に、加工用や傷といった規格もあり、とろろ用や佃煮用、一般消費用であればギフト用やだし昆布の袋詰用などの加工品に回されるものがあります。

同じ産地の同じ浜のものでも、葉の大きさや成長度合い、厚みに違いがあるため、このような規格があります

等級だけに限らない、難しい昆布選びはぜひ卸へ

いくつかの産地ごとに分けられる、多様である昆布の種類や、その産地の数多くの浜でその品質の評判がわかれた上に、さらに細かな条件が左右する昆布の等級があるので、昆布は分類が細かく、わかりにくいかもしれません。また、そうして等級があったとはいえ、一等を選べば確実なのか、また、どれを選んでいいのかよくわからないとおっしゃる方も多いと思います。そんなときこそ、目利きのプロである卸にご相談ください。昆布は等級だけに限らず、さまざまな条件を合わせて考えたときに、出したいお料理に合うものが見つかります。長年に渡り知識を蓄積した卸であれば、こうしたご要望にもお応えすることが出来ます

昆布の等級に影響する結束方法

昆布の等級は、昆布を製品にするときの結束方法もそれを左右します。それぞれの等級を決定づける昆布の結束方法には、5種類の方法があります

元揃(もとぞろえ)昆布

長いまま根元を揃え、長い昆布の何か所かを昆布で作った縄で縛ったもののことをいいます。羅臼昆布は75センチ、真昆布は90センチの長さに折って結束します

長切(ながきり)昆布

75センチから105センチの、一定の長さに切りそろえて結束したもののこと

棒昆布

20センチから60センチの短い長さに切りそろえて結束したもの

折昆布

切らずに27センチから75センチの一定の長さに折りたたんで結束したもの

雑昆布

切り落とした部分や品質不良品、色の悪いものなど、4つの規格に合わないものを俵詰めにしたもの

これらの結束方法に加え、昆布の葉の幅や厚み、重さなどを加味し、等級が決まります。等級は昆布そのものの品質だけでなく、このような結束方法などのこまかな内容もあり、とても複雑です。どの種類のどの等級がいいかは、お店で出したい料理の種類によっても変わってくるといえます。

昆布の品質を左右する収穫時期

また、昆布の採取時期によって、昆布は品質が変わるため、採取時期も等級に影響するといって良いでしょう

棹前

昆布収穫の解禁日からすぐの、7月10日から7月20日頃までにあたる、通常の採取時期にとられた2年生のもの

夏採

昆布収穫の解禁日(7月10日から7月20日頃)から9月10日頃までに採取したもの

秋採

夏採の収穫が終わる9月10日頃から終漁期までに採取したもの

拾い

シケや何らかの理由で浜に漂着した昆布のこと

1年生のもの

前年度に採取されたもの

このほかに、干場を区分した、砂付き、無砂、草干、また天然や養殖といった分類があり、さまざまなこまかい点が等級に影響してきます。
また、生育深度も等級に関わってきます。昆布の発育場所の深さなどにより、岸、沖があり、岸のほうが格上とされています。

昆布の味と等級の相関性

こまかな条件による規格上の分類を満たした等級があるからには、その等級と味に関連があるのではないかと思う方も多いのではないかと思います。しかし、等級と味の相関性は基本的にはあまりなく、等級はあくまで、昆布の厚みや幅、重みといったものが選別の基準になっており、等級の高いものが良いとは限らないのが昆布の難しいところです。野菜が見た目や大きさなどで農協の規格が決まっているのと同じように、昆布もそうした分類で等級付けられているといえるからです。たとえば、利尻昆布など、同じ産地のものを比較した場合、肉厚なもののほうがだしが出やすく、煮て食べた場合でも風味が強くおいしい場合が多いといえますが、長さや見栄えがよく、価格の高い一等を使えばいいということではなく、料理に使うだしを取る場合に、料理によっては、長さは不揃いで短く、価格の安い三等や四等のもので十分の場合もよくあることなのです。昆布巻を作る場合も、中の具材に合わせて厚みを使い分けるため、必ずしも一等がすべてとは言えないのが昆布の選び方の難しさです。等級があれども、一概に等級ではくくることが出来ません。まず、どんなだしを取りたいか、どういった料理を作りたいかで選ぶべき昆布の等級や種類も変わってきます。そんなときは、確かな目利きのいるわれわれ卸にぜひご相談いただければと思います。必ずお店のお料理に合う昆布を見つけ出すことが出来ます。

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