日高昆布を卸売業者から仕入れたい。そんな時に知っておくべきこと。
料理には欠かせない昆布。その中でも日高昆布は飲食店に関わらず、家庭にも必要不可欠ですよね。私は面倒なので顆粒出汁の利用が多いですが・・・。日高昆布を使おうと思った読者様は素晴らしいこだわりを持った方ですね。導入のきっかけは飲食店の開業や新メニューの採用等によるものでしょうか。そんなこだわりの商品を提供するために必要不可欠な昆布についてのお話しと、卸売業者からの仕入れについてお話ししたいと思います。
日高昆布とは?
日本国内に流通している昆布の95%は北海道産です。そして主に北海道で採取される6種類の内の1つが日高昆布です。別名を三石昆布とも言いますが、日高地方で採取されたものを日高昆布と呼称しています。
日高昆布の特徴
北海道の南部の水深10mから15mに生育しており、主に日高、釧路、十勝、函館で採取されています。調理に用いた際、柔らかく火が通りやすいが煮崩れしない、また味も良いので出汁から食用まで広く利用されており、取扱っている卸売業者も数多くあります。
日高昆布の選び方
日高昆布は品質により等級分けがされており、用途や必要に応じて選ぶことができます。
1 浜格差
採取される浜ごとに浜格差と呼ばれる格付けがされており、特上、上(A~B)、中(A~C)、並となっています。これは浜によって日高昆布の品質が異なることで分けられています。
2 等級
厚さ、長さ、幅、色等の外的品質から1等級から5等級までの格付けがされています。
3 時期
昆布の収穫時期は主に7月から始まります。この期間の早いうちに採取されたものを「走り」、後に取れたものを「後取り」と呼び、走りは厚みが薄いですが良い出汁が取れます。
よって、例えば贈答品用なら上浜の1等級をご用意されるのが良いと思います。また、出汁のみを目的として利用するならば「走り」の中からできるだけ良いものを、昆布巻き等の昆布料理を出されるのでしたら中クラスのものを調理法ごとに予算の都合に合わせて用いると良いのではないでしょうか。
日高昆布に合うフードジャンル
実は日高昆布は数ある種類の中で出汁取りには向かない昆布と言われています。それは旨味成分の含有量が他の昆布と比較して少ないためです。また、出汁の風味に昆布らしさが強く出ることに加え、濁りのある出汁が出ることも要因です。このため、繊細な料理や透明感のあるお吸い物等にはあまり適さない昆布です
井寒台浜産の日高昆布は最高級の品質を誇る
しかし、井寒台浜産の日高昆布は最高級の品質を誇り、良い出汁が取れるということで重宝されています。井寒台浜産以外の日高昆布が出汁取り用に全く向かないかと言われればそうではありません
おでんや煮物、出汁用と様々使える優れもの
おでんや煮物等で一緒に炊き込むことで、出汁用と具材用の両方として使える優れた昆布になります。これは厚みがあり柔らかく、火が通りやすい、しかし煮崩れはしないという性質からですね。お正月の巻き昆布料理にも日高昆布が使われています。他にも、甘辛煮等の味の濃い料理には存在感が消えず昆布としての役目をしっかりと保ってくれるでしょう。出汁を取った後のガラも醤油、みりん等で煮詰めて昆布の佃煮にすることも可能です。すなわち、日高昆布は食用に最適な万能昆布です。
卸売業者とは?
卸売りとは生産者または市場から買付けを行い、小売業者等消費者への販売を行う業態です。
生産者やメーカーよりも商品に詳しい
卸売業者はある商品が生産されてから消費されるまでの流通過程を知っている重要な位置を占めています。生産者側からは商品スペックや開発経緯などを、消費者側からはニーズ等の消費動向を掴むことができます。生産者と消費者は互いの事情を深くは知り得ませんから、中間に位置する卸売業者は両者の知識を得たプロフェッショナルです。
卸売業者を利用するメリットとデメリット
近年、個人単位で生産者から商品を購入するという方法が拡大しつつあります。これは、消費者は安く欲しいものが入手でき、生産者は利益の拡大が見込めるということで、双方に利益が生じるために現在の大きな流れとなっています。その流れから読者様のなかには個人的に仕入れを始めようと思っている方もいると思います。しかし、卸売業者を活用することの利点を紹介します。
- 1 商品の詳しい説明を受けることができる
- 2 小口から大口まで対応をしてもらえる
- 3 在庫切れが無い
- 4 店舗や作業場に納品してもらえる
- 5 支払が楽
等、実際に列挙すると案外多いですね。デメリットは多少の費用が発生するくらいでしょうか。私はやはり、商品に対する知識が豊富でアドバイスをもらいやすいことが最大のメリットであると考えます。実際に消費している方からの意見等も勿論聞いているでしょうから、消費者としての立場での相談にも有益な答えをもらえるでしょう。
まとめ
いかがでしたか、昆布についてのお悩みは解決できましたか?出汁取りから食用まで幅広く使える昆布ですが、「とりあえず日高昆布」と考えていた方は少し選択肢が広がったのではないでしょうか。一言に日高昆布を取り上げても等級が細分化されているためある程度の試行錯誤が必要と思われます。仕入れ先についても、小口から大口まで発注可能で、オーナー様のご要望を相談できるようなところが良いですね。事業の成功のためにもぜひ自分にあった昆布選びと卸売業者と巡り合えるよう願っております